「リテールとメディアが融合しつつある」:レゾリューション・メディアのプレジデント – DIGIDAY[日本版]



現在、Amazonウォルマート(Walmart)クローガー(Kroger)は、ただの大型小売店ではない。彼らはブランドサプライヤーたちに対して販売時点(ポイントオブセールス)の広告機会を与えるメディア企業でもある。P&GやGSKといった企業は、それに対応して販売とマーケティング戦略を変えつつある。

オムニコム(Omnicom)が所有するレゾリューション・メディア(Resolution Media)のプレジデントであるジョージ・マナス氏は、広告支出34億ドル(約3800億円)以上をマネジメントしている。彼のフォーカスは検索、ソーシャル、プログラマティック、コマースを単なるメディアプランニングだけでなく、PHDやハーツアンドサイエンス(Hearts & Science)といったほかのオムニコム系列におけるバイイングに組み込んでいくことにある。本稿では、マナス氏にリテールメディアと呼ばれるメディアの台頭、ペイドサーチが王として君臨する理由、そして彼がデジタルサブスクリプションサービスに関して強気でいる理由について語ってもらった。

以下は、我々の会話を読みやすさのために若干の編集を加えたものだ。

――2017年、リテールメディアにおいて起こったことで、一番興味深かったのは何か?

Facebook、Google、Pinterest、Snapchat、そしてインスタグラムといったメジャーなデジタルプラットフォームたちはリテールとメディアのあいだに存在していたギャップを埋める広告技術を開発してきた。それは買い物ができる広告(ショッパブル広告)や「上にスワイプして購入」といった類の広告が例となる。その一方で、Amazonやウォルマートはメディア経営者のようなアプローチをとっている。Amazonは検索やプログラマティックプロダクトの革新を続け、広告業界へ突き進むための準備を本格的に進めている。これらのことから、メディアはどんどんとリテール向きに修正を行っていると同時に、リテール自体もメディア向きになるように修正を行っている。両側からの非常に面白い歩み寄りが起きている。

――リテールメディアの台頭におけるAmazonの役割とは?

Amazonはコンテンツやコマース物件を非常にたくさん抱えており、優位な立場にある。また買い物客のログイン情報も持っている。これは広告プラットフォームとしては非常に重要な一面だ。Facebookは広告の巨大な帝国を作り上げたが、これは数十億人というユーザーログイン情報を利用したアイデンティティ分布を活用した結果だ。Amazonも同じモデルを使おうとしている。Amazonプライムを使って顧客の行動を深く分析することで独自のアイデンティティ分布を作成しようとしている。それはショッピング体験や、ビデオ視聴体験とさまざまな局面で使える。そしてホールフーズ(Whole Foods)を買収したことで、Amazonはオフラインの消費者行動をこれに組み入れることができるようになった。

――ブランドサプライヤーたちがリテーラーの購入時点広告を活用する際、そのメディア予算はどこから来るのか?

通常は、大型小売を対象とした広告支出の多くはブランドの顧客チーム、リテールチーム、共同広告(コーオペラティブ広告)チーム、もしくはブランドのリテール関係を率いる何らかのチームから出されてきている。一般論では、ショッパーマーケティングへの広告投資の成長が継続して確認できている。これには共同広告も含まれる。しかし、いまではブランドの従来的なマーケティング投資とリテール広告投資が統合するということが増えつつある。これまでの従来的なマーケティングモデルは萎みつつあり、マーケットはブランドマーケティングとリテールマーケティングを両方包括する新しい種類の取り組みをブランドたちに求めている。

――どの広告フォーマットがベストな成果を生み出すのか?

ペイドサーチは依然としてリテールメディアにおいて非常に重要だ。Amazonだけを見ても、ペイドサーチが投資に対してもっとも大きなリターンを見せている。これは我々のクライアントの大部分においてそうだ。検索とコンテンツにおいて勝ち取ることがAmazonとウォルマートでのマーケティングの基盤となっている。ブランドがオーガニックなビジビリティ(可視性)を獲得すると、次に彼らはターゲット・ペイドサーチを活用して、すぐに収穫できるメリットを勝ち取っていく必要がある。そのプラットフォームにおいて消費者たちがもっとも購入する傾向のあるブランド関連商品をしっかりと購入してもらうことがそれに当たる。

――Amazonやウォルマート、クローガーにおける検索マーケティングは検索ワードを購入する、といった単純なものではない。

その通りだ。リテールにおいては検索はより複雑になりがちだ。従来的なキーワード検索、クライアントのバックエンド在庫戦略、ロジスティック要素、そして繊細なプライスポイント要素といった分野を横断する検索戦略がクライアントには必要になるかだ。ただ検索戦略をプロダクトと在庫戦略と切り離して考えることはできない。そのためGoogleの検索戦略だけでなく、Amazonの検索戦略、ウォルマートに対する検索戦略を別々に構築する必要がある。そのことにクライアントたちは気付いている。

――リテールメディアの将来はどのような見通しか?

Amazonの影響は非常に大きい。リテールメディアは今後も継続してアルゴリズム中心に進んでいくだろう。その一方で、人間によるコントロールもより必要になってくる。これはAR(拡張現実)やAI(人工知能)によって可能になっている。こういったテクノロジーの発達のおかげでブランドマーケティング、プロダクトマーケティング、そしてリテールの商品棚におけるクリエイティブ体験が一気に可能性を広げた。またサブスクリプションベースのソリューションを採用するブランドの数も増えるだろう。月額登録で毎月ひげ剃りキットが送られるダラー・シェーブ・クラブ(Dollar Shave Club)は、デジタルサブスクリプションの好例だ。ハイエンドのビューティーブランドや日用雑貨や食料品ブランドのなかにもこのモデルを採用するところが現れている。

――リテールとメディアの統合で誰が勝者となるのか? Google、Facebook、Snapchatといったプラットフォームなのか、それともAmazon、ウォルマート、そしてクローガーといったマスのリテーラーなのか?

中国マーケットを見ることで何か将来についてのヒントを得られないかと期待しているのだけれど、オンラインリテール市場が高度に発展した中国においても、ウィチャット(WeChat)とアリババ(Alibaba)は接戦を繰り広げている。今後しばらくのあいだ、誰が勝者なのか明確ではない状況が続くだろう。

Yuyu Chen(原文 / 訳:塚本 紺)




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